本を読むのが好きだ。
なんで?って聞かれたらうまく理由は答えられないけど。
小学校低学年の時くらいから、常に本は生活のそばにあったと思う。
昼休みや放課後は図書室に入り浸って過ごすことは多かったし、下校中もよく本を読みながら歩いてて(今考えたら危なすぎる)よく電柱にぶつかりかけていた(今考えたら以下略)
キノの旅、デルトラ・クエスト、ハリー・ポッター、ふーことユーレイシリーズ、怪談レストランシリーズ、ブレイブ・ストーリー…ファンタジーだったり非現実要素のある話を好んで読んだ。
中学生のときはケータイ小説なるものの全盛期でそれもよく読んでいた。
たぶん、特に昔は絶対自分の身にはおこらないであろう話を読んで追体験の感覚?を味わうのが好きだったんだと思う。
作家だと市川拓司さんが今でもだいすき。
そんな私も18歳で進学して親元を離れたあたりからは本を読むことは減っていった。
アニメを見たり、お笑いのライブに通ったり、読書以外の楽しいことの比重の方がだんだん重くなっていったのだ。
そして社会人になり、本棚に増えるのはいつの間にか漫画ばかりになっていたある日、転機が訪れた。
斉藤壮馬さんを好きになったのだ。
「斉藤壮馬」に興味を持ったいちばんのきっかけはヒプノシスマイクの夢野幻太郎だ。
嘘つきな小説家に声を当てる彼の名前をGoogleの検索エンジンに放り込んでWikipediaを開く。
そこには壮馬さんが声優界きっての読書家であることも書かれていて、「この人、素で夢野っぽいのかな?」と思ったのを覚えている。
そこを入り口に彼の他のパーソナルな面を知り(夢野より変な人かもと思った)、音楽活動を知り、エッセイを読み、活動を深追いするようになった。
壮馬さんは本に関わる仕事もたくさんしている。
小説の書評や帯コメントを書いていることもあるし、よまにゃチャンネルの朗読に河出文庫の選書フェアとのコラボ、スピンでのエッセイの連載、短編小説の掲載。
「壮馬さんの活動を深追いしたい」に、私の中に眠っていた「本を読むのが好き」が目を覚まして、噛み合って、ゆっくり回り出した。
壮馬さんが紹介したり、お仕事で関わったりした本を買いに書店に行く機会が増える。
目当ての本の他に、装丁やタイトル、あらすじに惹かれるものに自然と目が向くようになっていった。
壮馬さんの言葉を借りるなら「本と目が合う感覚」
次第にそういう感覚を覚えた本も一緒に買うようになった。
特に用がなくても、外出の際に大きな書店に立ち寄るようになった。
「目が合った本」があればそのまま買って帰ることもあるし、なにも買わずに書店をあとにすることもある。
去年の1月がめちゃめちゃ本をスラスラ読める時期で7冊くらい読んだし、1冊に2ヶ月くらいかけることもあれば、3ヶ月くらいほぼなにも読まないこともある。
そんな風に読書は、いまの私の生活に当たり前のように存在する行為になった。
「読書」じゃなくて「壮馬さんの影響で読書をしている私」が好きなんじゃないかとちょっと悩んだ時期もある。
壮馬さん自身もエッセイで綴っていたやつだ。
私の場合、マシンガンズの滝沢さんが「自分の推し活感覚でゴミの分別をちゃんとしてくれるようになったら嬉しい」みたいなことを言っているのを見かけてからはそういうスタンスもなしではないと思えた。
あとは、そもそも読むこと自体が好きじゃなかったら1ヶ月で7冊読んだり、壮馬さんが紹介していたからという理由で内容が少し難解(私の感覚で)かつ600ページ越えの分厚いの(早瀬耕さんの「未必のマクベス」)を読破できないか、という結論に落ち着いた。
好みの本の傾向は昔と大きく変わってないなとは思うけど、それでも中学~高校生のときならぜったい好きだったろうけど、あんまり刺さらなかったな、という本もあるし、大人になったいまだからこそ読めたんだろうなと思う本もある。
大人になったいまは、口下手の自覚があるからか、自分の気持ちや考えを代弁してくれるような文章に出会いたくて本を読んでいる、という感覚もある。
これに関しては不健康な面もあるという自覚もあるので、こうして自分の言葉も併せてきちんと残しておくことも、最近は心がけている。
本をまたよく読むようになってから、部屋に本棚をひとつ増やした。
今の時点で9割くらいが埋まっている。
中身は壮馬さんの存在がきっかけで手に取ったもの、それ以外のものが半々くらい。
「未必のマクベス」がきっかけで、早瀬耕さんにドハマりしたので彼の作品はひと通り揃っている。
それ以外、の中には中学生のときに買ってもらった初めての市川さんの作品「いま、会いにゆきます」から先月読んだばかりの「ねえ、委員長」もある。
質量が多くてこの本棚には収まってないけど、ハリー・ポッターも文芸サイズの分厚いやつを全巻持ったままだし、キノの旅も1巻から最新巻まで揃っている。
「キノの旅」のアニメ(新しい方)を視聴していたときはエルメスに声をあてている人のことをこんなに好きになるとは思ってなかったし、ラジオとかで「初めて読んだラノベはキノの旅」って話すのを聴くたびに壮馬さんと同世代なのを感じてうれしくなった。
正直、読み返す機会はあるんか?って思う本もあるけど、今のところ手放す気はない。
本棚を眺めて、いままでの私がグラデーションみたいに詰まってるなって思うのが好きだから、そう思わなくなるまではいままで通り、手元に置いておきたいと思う。
今は佐藤勝利くんが出ていた舞台の原作である「怪物はささやく」を読み終わったばかり。
次はなにが読みたいかな~。